2004年10月13日

ユニクロはなぜ失敗したのか

日本ではすっかり国民的なブランドとなった衣料品店・ユニクロを運営するファースト・リテイリング社が、昨日、新たに韓国にユニクロを出店する計画を発表したそうです。
これでユニクロの海外出店は、イギリス、中国(上海)についで3か国目となりますが、実は記念すべき海外1号店があるのが、ハロッズなどがならぶ下の写真のロンドン・ナイツブリッジです。

ユニクロ

しかし、これまでのところ同社のイギリス進出は決して順調な歩みとはいえないようです。
2001年に華々しくロンドン・デビューし、一時は21店舗まで拡大したものの、巨額の赤字を計上。現在はリージェント・ストリート店やオックスフォード・ストリート店など6店舗を残すのみとなっています。
悲しいかな写真の店舗も、この夏に閉店してしまい、すでにありません。

これについては、同社会長の柳井正氏の著書「一勝九敗-ユニクロも失敗ばかりだった」(新潮社)に面白い回顧録が書かれていました。

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イギリスでの失敗は、経営者の選択に原因があった。
海外の現地法人は現地の人が経営をしないとうまくいかないと考えていたため、紹介されたイギリスの老舗デパートでの勤務経験のある人を社長に採用したのだが、イギリスの文化の反映もあって、保守的な経営陣や組織になった。

経営者から店員まで、それぞれに階級・階層をつくり、壁ができてしまった。
現場の社員だろうが社長だろうが、壁をつくらず対等に、みんな一緒になって話し合って実行する当社の企業風土からはほど遠いものだった。
店は汚く、店舗社員の訓練もぜんぜんできていない。
社長に注文をつけても、「できない理由」を並べる。
ユニクロの商売をイギリスで実現できなければ意味がない。
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イギリス在住者としては、いかにもありそうだ、と頷いてしまう話ではないでしょうか。
孫子の教えに「敵を知り己を知れば百戦危うからず」という言葉がありますが、いくら敵を良く知る人選を行っても、自分たちの良さが消えてしまうようでは意味がないということです。
余談となりますが、筆者は同社のオフィシャルサイトを見て以来、会長の顔が妙に桂小枝に似ているのが気になっていますが、これは孫子の教えとはまったく関係ありません。

さて、その点こんどの韓国進出は、日韓の市場を熟知したロッテと共同で行うことのことで、おそらくイギリスでの失敗から教訓を得てのことなのでしょう。
このあたりの柳井会長の判断は、「爆笑小ネタ集」でも始めてしまいそうなそのユーモラスな風貌からはイメージできない賢明な判断と言えそうです。

イギリスにおける事業縮小も、「再挑戦のための縮小」とのことで、今後の巻き返しに注目したいところ。
ロンドンの店舗を訪れると、夏には浴衣をおくなど、独自性もがんばって出している様子が伺えます。
というわけで、イギリスに来た際には一度覗いてみるのも面白いかもしれません。



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