2006年03月15日

論文が出ます!

さきほど連絡があって、イギリスでの約2年間にわたる筆者の研究成果をまとめた論文が、半年の審査を経てようやく出版される見通しになりましたグッド
掲載されるジャーナルは、さすがに国際超一流誌とまではいきませんが、国際超一・五流誌くらいのC誌です。
日本では短期間でここまでの成果を出すのは非常に難しいので、苦労してイギリスにわたった甲斐があるというものです。

C誌がどの程度のジャーナルかと言うと、科学ジャーナルの世界では、それぞれのジャーナルを格付けする数値として「インパクト・ファクター」という点数があります。
有名な「NATURE」を筆頭としておおむね10点以上のジャーナルが超一流誌と呼ばれるのですが、C誌はそれには少し届かないものの、それでも7点くらいの点数があります。

身近な例えで分かりやすく言うと、「NATURE」のインパクトがイナバウアーとすれば、C誌のインパクトは、レイザーラモンHGの腰の振りくらいに相当します。
2年弱で完成させた研究としては、このくらいのインパクトが出せれば御の字ではないでしょうか。

この半年ほどでさらに面白いデータが出てきているので、今年はさらに美しくイナバウアーを目指してがんばろうと思います。




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2005年02月28日

surprise party

オフィスへ行くのも今日が最後です。

午前中はフラットの退去のため大家のチェックがあって、それからラボに行ったら最後の日ということでちょっとしたサプライズ・パーティを開いてくれました。
イギリス人は普段はよそよそしいところがあるけど、こういった企画をスマートにこなすのは流石です。
カードと、プレゼントにロンドンの写真集、あとラボのみんなの集合写真までもらえました。

思えば1年半の間、素敵な仲間たちと過ごせて本当に幸せでした。
ありがとう。
ただでさえ荷物がスーツケースに入りきらなくて焦っているのに、巨大な写真集をもらってしまって困っている、なんてことはまったく思っていません。



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2005年01月24日

イギリスの動物実験事情

イギリスは言わずと知れた動物愛護の国ですが、過激な動物愛護活動家が多いことでも有名で、世界中のバイオ系の研究者から恐れられています。

昨年7月には、びっくりするようなニュースがありました。
新薬開発のためにオックスフォード大学が建設中の実験施設が、反対派の妨害活動にあい工事中断。軍隊が出動して警備に当たるという騒ぎになったのです。
BBCニュースによると、当局は、今後、動物愛護活動家に対しテロリストと同様に厳しく対応する方針を示しているとか。

動物実験問題については、ニュースにたびたび登場し、BBCのウェブサイトでもホットトピックとして取り上げられるなど、イギリスでは強い関心を集めています。

筆者は一応ロンドンでも割と大きな医学系の研究所に在籍しているので、イギリスの動物実験施設が様々な点で日本と大きく異なっていることが実感できます。

たとえば、動物実験施設はとある建物の中に内包されており、どこにあるのか部外者からはまったく分からないようになっています。
これはもちろん過激な活動家対策です。
そしてスタッフは動物施設の入り口がどこにあるのかを外部者に口外してはならず、また研究所の中で誰が実際に動物実験に従事しているのかも口外してはならない、という厳しい規則があります。

また、動物に対する扱いが日本に比べるとずっと丁寧であることも確かです。
動物福祉について厳格な規準があり、たとえば麻酔一つにしても、日本で一般的なエーテル麻酔は動物の死亡事故や引火の危険があることを理由に禁じられていて、イソフルレンによる吸入麻酔を行うといった具合です。

実験動物への福祉が重要視されるのはもちろん良いことですが、一方で実験を行うために内務省(Home Office)による審査やライセンス取得など多くの手続きを経なければならず、研究の進行に支障をきたしていることも事実で、なかなかバランスの難しい問題であることを考えさせられます。

ちなみに、筆者の研究所には下の写真のような印象的なポスターが貼ってあります。
これを見ただけでも、いかに動物実験問題がこの国で大きな論争となっているかがお分かりいただけるのではないでしょうか。

動物実験

動物実験の件数はピーク時より大きく減っているものの、遺伝子改変動物の開発などの新たな技術によりその重要性が増していることも確かで、この10年ほどの件数はほぼ横ばいです(BBCニュース)。

今でも世界一厳しい倫理基準がさらに厳格化するような事態になれば、イギリスの医学研究発展の足かせとなるのではないかと心配になります。



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2004年12月14日

携帯電話を盗まれた!

一般的にいって、イギリスの研究所は日本よりもはるかにセキュリティチェックが厳重です。
たとえば、研究所の正面入り口から筆者のオフィスへ入るには、下の写真のように、IDカードをスキャンして、暗証番号を入力するゲートを途中3箇所も通らなければならないほどです。

idcard

日本でいうと「風雲!たけし城」のように、数々のチェックポイントをくぐり抜けなければ中心部へ到達できないうえ、少なくとも「たけし城」守備軍の安っぽい水鉄砲よりは効果的に部外者の突入を食い止めるものと思われます。

また、オフィスにもさまざまな犯罪防止策があります。
たとえば、ノートパソコンにはすべてセキュリティワイヤーが取り付けられていて、勝手に動かせないようになっています。

「たけし城」で言えば、「相撲でポン」のクジがすべて元二子山部屋所属の忍竜、というくらい、絶対に攻略不能な万全の防御体制といえるでしょう。

しかし、そんなラボにおいて、衝撃的な事件がおきてしまいました。
幸い筆者ではないのですが、ミーティングで1時間ほど部屋を空けている間に、なんと同僚Jさんの携帯電話がオフィスから盗まれてしまったのです。
つい先日、安倍なつみ盗作事件で大きな衝撃を受けたばかりだというのに、ショッキングな出来事は続くものです。

これが「たけし城」であれば、谷隊長のように「よくぞ生き残った。我が精鋭たちよ。」と声をかけたいところですが、携帯を盗まれたのではたまったものじゃありません。
きっとその泥棒さんは「相撲でポン」で運良く城みちるを引き当てたのでしょう。

さて、ここからちょっとつまらなくなるかもしれませんが、大事な話なのでまじめにいきます。
日本では携帯電話を盗まれる心配をする人はあまりいないと思いますが、実はイギリスでは携帯電話の盗難被害が非常に多く、社会問題になっています。
というのも、イギリスの携帯はヨーロッパで主流のSIM (subscriber identity module)カード方式。
これは機械内部に切手の半分ほどの大きさのICカードが組み込まれているのですが、ここに電話番号や契約情報、電話帳などの情報が格納されているので、SIMカードさえ取り替えれば他人の携帯でも自分の携帯のように使えてしまうし、転売することも比較的容易なのです。

そういった事情から、たとえば夜道で携帯で電話しながら歩くことは、日本とは逆にイギリスでは決してしてはいけないこととされています。
イギリスでは、携帯で話している最中にまさにその携帯をひったくられる、という事件がたびたびおきるのだそうです。

というわけで、オフィスの中でも財布などの貴重品はもちろんのこと、日本と違って携帯電話も決して目に付くところに放置しないよう気をつけなければならないようです。
身近でこういった事件が起こると、自分もそのうち被害に遭うのではないかと心配になります。
そしてもう一つ心配なのは、今回のたけし城ネタは20代前半以下の読者にはまったく意味不明なのではないかということです。



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2004年11月04日

〆切に追われる

以前にもちょこっと書きましたが、ある月刊誌に1年にわたって4〜5ページほどの連載を書くことになり、その〆切に追われています。
その雑誌とは、医療系の業界に身をおくもので知らぬものはいない、N書店の看板雑誌M誌です。

張り切って書き始めたものの、書きながら柄にもなくちょっと緊張しています。
というのも、この雑誌、有名大学の教授らが最先端の医療研究や技術などを事細かに論じる非常に高尚な雑誌なのです。
とても「イギリスのステーキは素敵〜☆」 などと、くだらないギャグを書けるような雰囲気ではありません。

かといって、ありきたりなことばかり書いても仕方がないので、どうしたものか難しいところです。
たとえば銀行や保険の手続きとか、そういった実務的なことばかり書いても読んでいてつまらないだろうし。
なので、体験記的なものを中心にしつつ、ノウハウや心構えなどについても織り交ぜるような形にしようか、と思って執筆中です。
アメリカの競争社会とは一味違ったイギリスのラボの魅力がうまく伝わればいいのですが、どうなることやら・・・。

この連載を読んでいただいて、少しでもイギリスに研究留学に来ようという被害者 意欲的な方が増えてくれれば、この上ない喜びです。



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